イベント報告
Rota Coffee Project part 10
ロタコーヒー農園復活プロジェクト第10弾
【よし、本を書こう!】

2021年8月に入っての新型コロナウィルスのデルタ株感染爆発で、10月24日(日)に開催を予定していた長野県麻績村での 「第3回ALTRA信州聖山天空ラン大会」を急きょ中止せざるを得なくなりました。 そんな事情で、突然空き時間ができました。

この時間を利用して、「ロタコーヒープロジェクト」(以後、RCPと称す)に 関する本を書こうと思い立ちました。目的はコロナ禍が明けた後のRCPの展開を考えてのことです。 且つ、RCPに関し、我々KFCが 前面に出てやるべき役割はほとんど終わり、今後はロタDLNR(資源省:Department of Lands & Natural Resources)の署長デビットたち ロタ島民自身がやるべき段階に入ったと感じていたからです。

ロタ政府を巻き込み、RCPを立ち上げてから約4年が経ち、2021年5月にはロタ政府によってサバナ高原にある 政府所有の土地を造成し、試験栽培用コーヒープランテーションが造られました。そして、そこにジャングル奥地アスアコド地区に 自生している背丈30㎝ほどのフォレストコーヒーの若木を採取し、移植されました。その数は約400本です。

一方、デビット・カルボ所有のチュガイ農場のコーヒーはすでにすくすくと育っています。これらのコーヒーは2019年8月に同じくアスアコド地区から 若木80本をアクセスの容易なチュガイ農場の空きスペースに試し植えしたものです。 それが2年後の2021年8月に入り、すでに収穫ができるまでに 育っています。

いかにコロナ禍といえども、これほど異常な世界的パンデミック状態は長くは続かないだろう。年明けの2022年1月には終息に向かうに違いないと思っていました。 ---実際には、予想に反し、2022年に入ってオミクロン株が世界中で猛威を振るうことになりました--- だから、その時までにロタ島でコーヒーが 発見されたことを世間に周知しておかないと、観光客を呼び込む千載一遇のチャンスを逃すと感じたからです。だから、急いで本を書いた次第です。 さらに、コーヒーをお土産として販売もできます。

現在、ロタ島にコーヒーがあることなど近隣のサイパンやグアムでもほとんど知られていません。例え、「ある」と言っても信じないでしょう。 ロタ島民でさえも、RCPに係わっている人以外はロタコーヒーの存在は知りません。コーヒーは南米やアフリカなど遠くにあるもの と思っています。

【出版の壁】

その時までは、まさか自分が本を書くなど想像だにしていませんでした。自分の人生で本を書く場面があろうとは、人生何が起こるか分からない ものです。これまで執筆とは対極の大雑把な人生を歩んできた大西に執筆という緻密な作業ができるのだろうか。本は ホームページのレポートと違って文字数が圧倒的に多い。それに、書いたものが本になり、人様の目に触れることができるのだろうか。また、 誰が本として出版してくれるのか。課題は山ほど浮かびます。

そこで、小説家であり、トライアスリートであり、ライターでもある友人の謝孝浩さんにアドバイスを乞いました。 彼のトライアスロンデビューは2001年にロタ島で開催した「第7回ロタブルートライアスロン」です。JAL機内誌の取材を兼ねての参加でした。 その彼が言うには、無名の人の書いた文章は どこの出版社も相手にしてくれないという。だから大西の書く文章は無理と言うことです。プロの作家以外では、各分野の著名人か、 芸能人でしか書籍という形での出版は不可能ということでした。しかし、アマゾン電子書籍なら可能性はあるという。

本のテーマがコーヒーだから、読者の対象は日本国内だけでなく世界中のコーヒー愛好家になる可能性が高い。 そうなると返って、 紙書籍より、電子書籍の方が適しているのかもしれません。 また、よくあるコーヒー豆のうんちく本ではなく、ロタ島を極小ながらもコーヒーの 生産地にしようと云う大それたストーリーの本です。経済発展から取り残された南海の孤島ですが、ロタ島が持つ神秘的なポテンシャルを感じてもらえる 壮大なストーリーになるはずです。そして、狙いは、多くの人にロタ島へ行きたいと思ってもらい、そのうねりがまともな飛行機をロタ島へ 就航させることです。まともな飛行機さえ、確実に飛べば、ロタ島経済は自力で復活できます。

【執筆開始】

アマゾンからの電子書籍出版を想定して、とにかく文章を書いてみることにしました。2021年9月初めのことです。

最初にストーリーの柱となる 設計図のようなものを時系列に書き出し、RCPにつながらない多くの事柄はバッサリと切り捨てました。そして、執筆に集中するため、 お気に入りの「シェーンガルテンおみ」へ泊まりに行ったりもしました。最終的に1993年から2021年までの、我々KFCとロタ島との なれそめからRCPを立ち上げまでの経緯、そして、今に至るまで、6つのラッキーミラクルを軸に展開するという約27年間の ストーリーにしました。 読者が読みやすいようにスピード感を持ったストーリー展開に重きを置きました。

実際に書き始めてみると、これまでのようにホームページに書く短い文章とは違って、長い文章であり、さらに、ロタ島のことも、我々KFCのことも全く知らない人を 対象に分かり易く書くのは予想を超えた難しいものです。目と脳みその疲れが半端ではありません。

1か月くらいでざっくりとしたものを書き上げました。文字数は33,000字ほどの短い文章です。その後は何度も読み返し、多くの加筆修正を 行いました。また、RCPの経緯を知っている友人たちにも校正を頼みました。それを繰り返すうちにすっきりとした文章に変わって いきました。しかし、幾らやっても切りがないので、ある程度の時点で完成とすることにしました。それに年明けには出版したいし、 悠長に構えている時間の余裕はありません。

次に文章の内容に合致する写真を挿入することにしました。ジャングルでコーヒーが自生している様子等々、拙い文章で表現できない部分は 過去に撮りためてきた写真が役に立ちます。それに電子書籍は容易に写真に挿入ができるという利点があります。結局、50枚ほど挿入しました。

【トライアスロン雑誌「LUMINA」編集部の協力】

2021年10月19日、最終の文字校正を長年の友人であるトライアスロン雑誌「LUMINA」の編集長村山さんにお願いしました。そして、 自分的にほぼ完成版と思える原稿を送りました。それでも村山さんから文字校正が数か所も届きました。因みに、村山さんとの初めての出会いは 2001年にテニアン島で開催したトライアスロン大会です。当時あった「トライスロンジャパン」誌の新入社員として現地取材に来てくれました。

さらに、村山さんはストーリーがおもしろいのでアマゾン電子書籍化に関し、LUMINA編集部で出版の協力をしたいと申し出てくれました。 ありがたい申し出です。もちろん、快諾です。先に進めてくれるようにお願いしました。いかに電子書籍といえども、書籍の体裁を整えて、 アマゾンのサイトへ流し込む方法を自分で調べながら出版にまでこぎ着けるのはIT分野に疎い大西にとって至難の業です。

【電子版と紙版の2本立て「ROTA BLUE COFFEE」書籍発売】

LUMINA編集部のお陰で、ついに2021年11月7日にアマゾンからタイトル名「ROTA BLUE COFFEE」、サブタイトル名 「トライアスロンクラブが作った南の島のコーヒー農園」という電子書籍が発売されました。さらに、この頃からアマゾンでも従来の電子書籍に 加え、紙書籍も扱うとアナウンスがありました。グッドタイミング、本当にラッキーです。そんな事情でLUMINA編集部に紙書籍の出版も お願いしました。紙書籍に慣れ親しんで育った我々には、やはり紙がいい。そして、翌2022年1月18日にアマゾンから紙書籍ペーパーバック(オンデマンドペーパーバック)も 発売されました。ページ数は119ページです。

ペーパーバックとは洋書サイズの本で、読むにはちょうどお手頃サイズです。それには先に刊行された電子書籍にはなかった KFC専属カメラマン小野口くんのフォトギャラリーが追加され、ロタ島の写真が50枚以上もあるオールカラー印刷です。 巻末にはQRコードが印刷されており、携帯で2019年8月にUCC上島珈琲(株)の農事室長中平さんに現地視察してもらったフォレストコーヒー自生地の様子が動画で見られます。

販売価格に関しては、電子書籍が1250円、ペーパーバックが1900円とやや高めですが、印税部分を約200円にするための設定価格です。 漠然とですが、この印税でロタ島にコーヒー豆の脱穀や焙煎からパッケージ詰めまでの施設を作れればいいなあと思っています。 先は長いですが、やれば何とかなると漠然と感じています。

また、ライターの謝さんが文字数が少ないとは言え、執筆から発売までのスピードが異常に速いと驚いていました。電子書籍が約3カ月、 紙書籍が約5か月です。 作家の常識では考えられないということです。それは単に大西が作家ではなく、2022年1月には出版しないと意味がないという 使命感があったに外なりません。それに、LUMINA編集部も大西の意を汲んで急いでくれました。

【某TVドキュメンタリー番組】


紙書籍版のペーパーバックを発売したことで、RCPの経緯や全容が明らかになり、信ぴょう性が増し、 テレビ化の話も進み始めました。以前から某TVのドキュメンタリー番組にRCPを取り上げてもらえないか と打診していました。それはロタ島のジャングル奥地でロタコーヒー自生地が発見される前からです。その当時は「ファクト」がないから難しい と言われていました。番組制作側としては当然です。

その後、2018年6月にコーヒー自生地が発見され、1年後の2019年8月にUCC農事室長中平さんに視察に来てもらったり、2021年1月の 米国バイデン大統領就任式へコーヒー豆を献上したり等々のイベントがありました。それでもテレビ化の話は遅々して進展しませんでした。 しかし、ペーパーバックができたことで公になり、ここに至るまでの道のりを詳細に理解してもらうことができ、結果的に某TVドキュメンタリー番組に 取り上げてもらえることになったと思います。TVの告知効果は絶大ですから、RCPにとってはたいへん有難いことです。 ロタ経済の復活に直結する画期的な出来事になるだろうと感じます。過去も現在もロタ島の観光ガイドブックはありません。 サイパン島のガイドブックの巻末1ページに載る程度です。それなのにロタ島だけにフォーカスしたTV番組はロタ島史上初です。

これも偏に我がKFCの動画担当スタッフであり、伝説の元TBS映像カメラン中屋さんの人脈と人柄によるものです。 KFCは雑多集団で、一般受けをするかしないかは別として、 各々が超一流の能力を持っています。ツボにはまれば、無敵です。これら唯一無二の貴重な人材が、外国人も含め、幸運にも、 気が付けば自然とKFCファミリーとして集結していました。ツボにはまれば最強軍団になります。意識的にこれだけの人材を集めるのは到底無理です。

2022年8月と10月と12月にそれぞれロタ現地取材へ行くことが予定されています。UCCの中平さんも一緒です。中平さんには栽培に関する 農業技術指導をお願いしています。放映は2023年2月の予定です。尺は89分番組です。

【英語版の本も作ろう】

本のテーマがコーヒーというグローバルなアイテムということ、且つ、ストーリーの舞台が米国領のロタ島であることを考慮し、 すでに英語版も出版も決めていました。さらに英語版を出版し、それをロタ島民が読むことで、この嘘のようなストーリーが真実であると証明されます。

そうなると翻訳が問題です。さて、誰に依頼しようかと思っていた時、友人の陶芸家上泉さんから安曇野に住むかつての師匠の娘さんが翻訳家志望だと聞き、 即座にその人(山田さん)にお願いしようと思いました。最初は経験がないということで躊躇されていました。しかし、大西も本を書いたのは初めてだし、 誰でも、何事にも「初め」があるので、ぜひ、やって欲しいとお願いしました。2021年10月末のことです。

【ロゴマークとマグカップ製作】

アマゾンでの出版がひと段落したところで、今後の販売等々の先を見据え、ロゴマークを作る必要があると感じました。今後の展開を左右する 大切なロゴマーク、やはりプロにお願いすることにしました。トライアスロン雑誌「LUMINA」のデザインを担当されており、ロタブルーコーヒーの 書籍化にも尽力して下さった高橋さんにお願いしました。

そして、すぐに出来上がりました。本の表紙と同じで、すっきりした分かり易いデザインで気に入りました。ロゴマークは 今後のプロジェクト展開に大きな意味を持ちます。素人がやると、どうしてもごちゃごちゃしたものになってしまいます。また、 素敵なロゴマークができたことで、村山さんからロゴ入りのマグカップを勧められ、それも高橋さんに制作をお願いしました。

【コロナ禍の真っただ中、ついに初収穫のコーヒー豆が届く】

2022年3月13日(日)、ロタ島にあるダイビングショップ「ブルーパームス」のオーナーめぐみさんがデビットから預かったコーヒー豆約3㎏を KFC本部「成木ガーデン」に届けてくれました。これまでの品質検査用や米国バイデン大統領就任式への献上用に摘んだものと違い、 事実上、少量ですか、これらが初めての ロタコーヒーの収穫となります。僅か3㎏ですが、持てばずっしり感じます。いかにコロナ禍といえども、コーヒーは育つのです。観光業はダメでも、 地味ですが、農業は行けるということを実感しました。

2020年春先から現在(2022年7月)まで日本とロタ島(米国)間の航空貨物便がコロナ禍を理由にストップ状態にあります。そんな事情で、 めぐみさんがロタ島から日本へ戻って来る時に持ち帰ってくれたのです。本当に助かりました。また、 届いた豆は日本では珍しい殻付きの天日乾燥されたものです。通常は脱穀済の豆が輸入されます。 殻付きですから白っぽく見えます。 ロタ島に未だ脱穀機や焙煎機等々がないので、赤い表皮を剥き、天日乾燥させた状態で 日本へ持って来たのです。これらは、後日、友人のアスロンコーヒー焙煎所で脱穀し、焙煎をしてもらいました。

そして、少ないながらも、初収穫のコーヒー豆がロタから届いたことで、長引くコロナ禍で久しく足踏み状態だった RCPが一気に動き出しました。

【初収穫のコーヒー豆とは】

これらのコーヒー豆に関しては、シナパル村にあるデビット所有のチュガイ農場のコーヒーの木の約80本からの収穫されたものです。 2019年8月にアスアコド地区のフォレストコーヒー自生地から30㎝ほどの 背丈に成長した若木を採取し、 試験栽培用に移植したものです。ところが、我々の心配を余所にすくすくと育ち、わずか2年後の2021年8月頃から赤く熟し始めたのです。 しかし、当初から心配していた野生鹿の食害のダメージがあるということです。地面に近い方の葉っぱや幹は鹿にかじられてしまうそうです。 また、肥料として、魚を腐らせ発酵させた液体を根っこ辺りに撒くそうです。

それでも、この時に届いたコーヒー豆は2021年1月に米国バイデン大統領就任式へ送った 豆と比べて、心持ち小さいように感じました。その時に送ったのはアスアコド地区のコーヒー豆です。アスアコド地区と比べてチュガイ農園は 土壌に栄養素が不足しているのかもしれません。次の8月訪問時に中平さんにチェックしてもらい、対処する必要があります。

アクセスが困難なアスアコド地区と比べ、チュガイ農場は世話や収穫が格段にやりやすいと云うことです。アスアコド地区へは 車道がなく、 辿り着くにはチームを組んでマチョーテ(現地の鉈)を手にブッシュを切り開き、30分ほども歩かねばなりません。だから頻繁に入ることができずタイムリーな 世話や収穫が困難なのです。しかし、逆にその不便さ故、アスアコド地区には、今なお太古の姿を残したコーヒー自生地が保たれたのも事実です。 今後の貴重な観光資源です。

当初は移植した80本の若木から20㎏~40㎏の収穫量が予想されていました。しかし、長引くコロナ禍で観光客がゼロになり、 今後も期待ができない状況が続き、絶望感にさいなまれました。 それで収穫のモチベーションを 一気になくしたようです。 2021年には「観光客が来ない状況では幾らコーヒーを収穫しても売れない」と何度も愚痴をこぼしていました。 気持ちは分かりますが、それでも何だかんだと背中を押し続けました。それにしても3㎏は少ない。

【クラウドファンディング支援者へのリターン】

2018年立上げのRCPのクラウドファンディング大口支援者の皆様へデビットのチュガイ農場で 2021年に収穫できた貴重なコーヒー豆を焙煎し、 マグカップとペーパーバックを同封して、2022年4月25日に送りました。約4年間もお待たせしたことになります。ロタ島の太古の森が 護り育てたフォレストコーヒーをご賞味頂けます。やっとお送りすることができ、肩の荷がちょっと下りました。

大西は一口飲んだ瞬間に爽やかな味わいでロタ島の土の味がすると感じました。もちろん、ロタ島の土を食べたことはないのですが、 そのように感じました。さらに、長い間ジャングルで生き延びてきたという神秘的な生命力パワーもコーヒーからもらったように感じました。

ロタコーヒーは米国領で栽培されるコーヒーということにアドバンテージを感じています。米国領ではハワイに次ぐ2番目のコーヒー生産地です。 それに日本に近いのもいい。今後、これらの要素は必ず生きてくると感じています。

【サバナコーヒープランテーションの近況報告】

2022年6月初めにデビットから前年の5月にロタ政府がサバナ高原に造成したロタコーヒー栽培の試験農園「サバナコーヒープランテーション」の 写真と共に近況報告が届きました。

「サバナコーヒープランテーション」はアスアコド地区から1年前に 採取してきた背丈30㎝ほどの 若木を約400本植えたものです。 今ではアスアコド地区はコーヒーの苗木の供給地となっています。送られてきた写真から、それらが今では 人の胸くらいの背丈まで成長し、疎らですが、実を付けているのが分かります。 ズブの素人が植えて、僅か1年で実を付けるというのは、 ロタ島の自然環境がコーヒーに合っているという証と思います。

しかし、「サバナコーヒープランテーション」はまだまだ手入れが十分とは言えません。

写真を見ると、コーヒーに日陰をつくるための樹が まだ十分に植えられていません。コーヒーは日陰植物なので、 長時間の直射日光は良くないのです。また、台風からコーヒーを護るための樹木も 見当たりません。さらに野生鹿の食害はすでに起こっていますが、 それを防ぐための防護柵が見当たりません。

因みに、ロタ島には尖がった山はありません。横から見ると台形をしており、その上辺にだだっ広い平地が広がっており、そこがサバナ高原(標高約500m)と 呼ばれています。現在、ほとんどが有効利用されず、灌木が茂っています。将来、コーヒー栽培には打って付けの場所と考えています。

【マリアナ政府からの初となる支援金】

グッドニュースもあります。コロナ禍が猛威を振るった期間(2020年始め~2022年始め)は政府機関が休みとなり、デビットたち DLNRスタッフも解雇状態にありました。しかし、2021年のデルタ株が収まった頃と2022年のオミクロン株が下火になってからは政府機関も 平常に戻りました。そして、2021年にバイデン政権になってからは、米国政府からマリアナ政府(ロタ政府のキャピタル)や島民個人へ コロナ復活支援金が潤沢に入ったようです。

2001年の9.11NY同時多発テロ以降、アフガン・イラク戦争、度重なるスーパー台風の襲来、リーマンショックによる世界的な経済不況、 SARSや新型コロナウィルスのような世界的な感染症等々で観光業に頼るロタ経済は不況に喘ぎ続けていました。そんな状況下でコロナ支援金として思わぬ大金が 入ったのですから、本当に有難いことです。

その支援金によってRCPも多少の恩恵を得ることができました。鹿の食害対策用の防護柵購入資金、 800本ほどの苗木の管理費用、さらに、サバナ高原へ行くための4輪駆動トラック購入資金等々に政府予算が付いたそうです。 ようやくここまで 辿り着いたかという感があります。

2017年にゼロから始めたRCPにマリアナ政府の予算が付いたのは 大きな前進です。このマリアナ界隈では最初から 政府の財源を当てにしたプロジェクトはことごとく失敗しています。我々は政府のお金を当てにせず、 身の丈に合ったやり方で地味に進めて来たので、 ここまで来ることができたと思います。

【UCC上島珈琲(株)東京本部訪問】

2022年8月に某TVドキュメンタリー撮影チームのロタ島訪問に合わせ、栽培指導のため中平さんのロタ島訪問も予定されています。それを受け、 6月13日(月)に中平さんとロタ島行きの最終打合せをするため、撮影担当の中屋さんと一緒にUCC東京本部を訪ねました。デビットから届いた 最新写真と共にサバナコーヒープランテーションの現状やデビットたちの様子も伝えました。因みに、我がKFCメンバーで、元TV映像カメラマンの 中屋さんがRCPのドキュメンタリー番組の撮影を担当します。

我々もコロナ禍の所為で2019年から3年間ほどロタ島へ行けてないので、実際にサバナコーヒープランテーションを見ていません。だから、 確かなことは言えないのですが、デビットに「購入済みの防護ネットは早く設置した方がいいよ」というと 「専門家に見てもらってから」という。 また、「DLNR管理の敷地で苗を800本ほど育てている」というから「早くサバナに植えたら」というと、 これもまた「専門家にみてもらってから」という。 デビットの云う専門家はUCC農事室長の中平さんのことです。彼ら的に何か確認したいことが多々あるようです。デビットには8月後半の中平さんの ロタ訪問を心待ちにしています。

【成田~サイパン便運航】

2022年6月27日、ビックニュースが飛び込んできました。 現在、日本~サイパン間の直行便はありません。 しかし、週に3便ですが、9月1日からユナイテッド航空が成田~サイパン便(160人乗り)の 運航を予定しているということです。グアム経由でなく、ダイレクトにサイパン島へ行けるのです。 ロタ島のキャピタルはサイパン島ですから、 例え、ロタ島での活動でも、どうしてもサイパン島には立ち寄る必要があります。

このユナイテッドの直行便運航は米国政府からの支援金によるもので1年間の期限付きらしいです。でも、理由はどうあれ、ついにRCPへ風が吹いてきました。 まさに言霊の力かも、です。 現行のユナイテッド航空のグアム経由サイパン行きは 時間もコストもかかるし、何よりもグアム空港での 乗り継ぎが面倒臭いのが欠点です。あわよくば、今後、この成田~サイパン便を週2便ほど成田からロタ島へ ダイレクトに飛ばしたいものです。

過去、 我々が開催した「ロタブルートライアスロン大会」のチャーター便としてユナイテッド航空が同型機(160人乗り)を成田~ロタ間に 10年間ほど飛ばしたことがあります。 だから、ユナイテッドにとっては全くの新路線と違い、テスト飛行やロタ空港調査等々は不要なのです。今後、 コーヒー産業が確立でき、経済が動き出せば、その可能性は大と感じています。

【英語版書籍出版】

英訳をお願いした山田さんから2022年5月中旬に翻訳原稿が出来上がってきました。そしてすぐに、万全を期すために英国在住の 米国人翻訳家のプロにネイティブチェックを依頼しました。その後10日間ほどで出来上がり、ルミナへ送りました。

英語版もトライアスロン雑誌「LUMINA」編集部に編集作業をお願いして、その後に日本語版と同じくアマゾンから販売の予定です。日本国内でも販売されますが、 主なマーケットは米国や欧州等々の英語圏になります。サブタイトル名を除いては、文章も写真も日本語版と同じです。サブタイトル名は国内向けの「トライアスロンクラブが作った南の島のコーヒー農園」から 海外向けの「Forest coffee discovered on US Island of Rota through six miracles」に変更しました。この変更は最初から考えていたものです。

7月16日(土)突然、LUMINA編集長の村山さんから「ロタブルーコーヒー本の英訳版ペーパーバックの審査が通り、英語圏のAmazonで 買えるようになりました」と連絡がありました。日本国内はもちろん、アメリカ、イギリス、ドイツ、フランス、スペイン、イタリア、 ニュージーランド、ポーランド、スウェーデン、カナダ、オーストラリアの英語圏11カ国で同時に買えるようです。また、日本語版も英語圏で同時に買えるようです。すごい世の中になったものです。

・アメリカ国内で購入する場合は、アメリカのアマゾンで【こちら】です。

・アメリカ国内でも、日本語版も購入できます。【こちら】

・日本国内で英語版を購入する場合は、日本のアマゾンで【こちら】です。

英語圏の国々、すなわち、世界の主要先進国で「ROTA BLUE COFFEE」書籍が出版されたことで、ロタ島にフォレストコーヒーの自生地が発見されたことやロタ島でコーヒー栽培が始まったことが 世界中の多くの人々に周知されれば嬉しく思います。 また、8月下旬にドキュメンタリー番組取材でのロタ島を訪問した時に英語版の紙書籍を持参し、アタリック市長やデビットたちに プレゼントしたいと思っています。

それにしても、ズブの素人が本を書こうと思い立ち、1年足らずで日本だけでなく、世界の英語圏の国々での出版にまでこぎ着けたのは ギネス級のスピード、間違いなくルミナ編集長の村山さんとデザイナーの高橋さんの尽力のお陰です。本当に感謝です。

【これまでの足跡】

■Rota Coffee Project2021 Part9の詳細は【こちら】をご覧ください。

■Rota Coffee Project2020 Part8の詳細は【こちら】をご覧ください。

■Rota Coffee Project2020 Part7の詳細は【こちら】をご覧ください。

■Rota Coffee Project2019 Part6の詳細は【こちら】をご覧ください。

■Rota Coffee Project2018 Part5の詳細は【こちら】をご覧ください。

■Rota Coffee Project2018 Part4の詳細は【こちら】をご覧ください。

■Rota Coffee Project2017 Part3の詳細は【こちら】をご覧ください。

■Rota Coffee Project2017 Part2の詳細は【こちら】をご覧ください。

■Rota Coffee Project2013 Part1の詳細は【こちら】をご覧ください。

2022/07/25 KFC記