イベント報告
第1回南伊豆グランフォンド
1st MInami-Izu Granfondo
2015年2月28日〜3月1日
■KFC徒然

2月28日(土)と3月1日(日)の2日間に亘って、南伊豆町を拠点に伊豆半島を周回するグランフォンド大会を開催しました。

なぜ、青梅市を拠点に活動する 我々KFCトライアスロンクラブ(=青梅市トライアスロン協会)が静岡県の南伊豆で大会を、 と思われるでしょう。

昨年6月、横浜市体育協会から南伊豆町にある横浜市の施設「横浜市少年自然の家南伊豆臨海学園」を使って、 その活性化のため、 何かイベントをやって欲しいと云う依頼を受けました。それには、横浜市体育協会の関係者が我々の運営する大会に 参加されたことがあり、 それが我々に依頼しようと決められたと云うことです。この言葉は、我々としても嬉しい限りです。

そして、「南仏自転車ツーリング2014」への出発直前の6月10日に、 わざわざ青梅にある「成木の家」までお越し下さいました。そこで、 熱い気持ちを感じたので、 引き受けることにした次第です。 その時点では、南伊豆の知識はゼロでした。

【南伊豆訪問】

9月9日に南伊豆を訪れました。その施設は海に面した山の中腹に建つ立派なもので、外観は、まるで美術館と云った趣でした。 館内は広く、 掃除が行き届いて、清潔感がいっぱいでした。寝室が2段ベッドの8人部屋というのを除けば、臨海学園の施設とは、とても思えません。 200人は収容可能ということです。

そして、有難いことに、空いている時は横浜市の関係者以外でも宿泊可能と云うことです。しかも、2食付きで、 1泊2500円程度と いうリーズナブルな宿泊料金です。

チームの練習や合宿に持って来いです、どんどん利用されてはいかがですか。周囲の環境も、 子浦湾(妻良港)を眼下に望めて、 最高の立地です。 そして、ここは房総半島より南に位置しており、特に、冬場に暖かいのが魅力です。

【グランフォンドで行こう】

南伊豆の臨海学園を訪れた時、施設を利用してのイベントはグランフォンド(自転車ツーリング)か、 トライアスロンかのどちらかだ、 と感じました。でも、トライアスロンは、やれば効果は高いですが、交通事情や海事情、地域の人たちとの調整等々、 調査する事柄が多く、 開催まで時間がかかります。

本来の趣旨である施設の活性化というものは、一時も早い方が良いので、先ずは、グランフォンドで行こう、と考えました。 これなら準備期間は 短くて済む。

ザックリとですが、標高約900mの西天城高原、富士山を望みながらツーリングできる海岸道路の国道136号線(マーガレットライン)、 それに伊豆半島の最南端石廊崎とをルートに組み込めば、伊豆らしい他にはない魅力を持つルートができると直感していました。

欲張って、山ルートと海ルートの2本立てで、2day eventにすることに決めました。そして時期は、南伊豆に桜と菜の花が 満開となる2月末に 決めました。

日本の大部分が未だ寒い時期に暖かい南伊豆に来て、ツーリングを楽しんでもらおうとするものです。それに冬の時季だと、 空気が澄んでマーガレットラインと西天城高原の両方から富士山を望むことができると云うおまけも付く。富士山は日本人だけでなく、 外国人も大好きだ。

2014年10月23日に募集を開始しました。開催日は2015年2月28日と3月1日です。第1回大会としては、告知期間、募集期間は非常に 短いものだったのですが、有難いことに約300名もの自転車乗りの応募がありました。

【快晴の山ルート】

第1日目、距離120q、獲得標高2500m、晴れ。スタート時間08:30、30〜40名のウェーブスタートです。 カラフルな自転車乗りが 列をなして、西天城高原の「牧場の家」(標高750m)を目指して、臨海学園を出発していきました。

正面の海上に浮かぶ 富士山を望みながら、アップダウンを繰り返し、西伊豆町に入ります。道端には所々、桜が咲いています。 西伊豆町宇久須から激坂を上り 西天城高原にある「牧場の家」へ到着します。ここで美味しいカレーとコーラで体力回復させ、 一気に湯が島温泉の下田街道へ下ります。

すると有名な河津桜見物のひどい渋滞が起こっていました。これは想定外でした。地元の人も、ここ近年、こんなにひどい渋滞は見た ことがないと云う。我々が知っている下田街道は、昨日までガラガラだったので、あまりの変わりようにびっくりしました。

前日にTVニュースで河津桜が取り上げられたのが原因のようです。それにしても、日本人は桜が大好きです。

あの有名な天城峠を超え、ペリーの黒船到来で有名な下田へはいります。その後、南伊豆町に入り、エイドの「メロンランド」に 立ち寄り、美味しい蜂蜜でエネルギー補給をします。その後は一面の菜の花畑、桜並木を横目に臨海学園にゴールです。早い人は 6時間ほどでゴールされました。平均時速20qで走ったことになります。

レースではないけど、グランフォンドの速い人は、脚力とテクニックとスタミナ、そして、何よりも精神力のタフさの4拍子が 揃っていると思っています。このような自転車乗りには、ぜひ本場ヨーロッパのレースに参戦して欲しいものです。

【思わぬ誤算】

運営上、伊豆ならではの誤算がありました。有名観光地と云うことで、観光を兼ねての初心者の参加が多かったことです。 中にはパンク修理キットさえ持参していない参加者も。

予想の10倍ほどの参加者が、僅か半分くらいの距離でギブアップ、 回収車を希望されたことです。 信州や東京のグランフォンド大会では考えられないことです。

3台の回収車(ワゴン車)を用意していたのですが、一度で積み切れず、本部とのピストン搬送です。 距離が50qほども離れた地点 であり、下田街道が河津桜の見物渋滞となって、思うように動けず、歯がゆい思いをしました。場所によっては、 長時間待ってもらった 参加者もいました。

臨海学園スタッフの皆さんの懸命の働きで、何とか皆さんを回収することができました。大感謝です。 教訓として、次回から 下田街道は省きます。因みに、トップは午後2時頃にゴールされました。

【雨の海ルート】

3月1日(日)、第2日目、距離80q、獲得標高1400m、雨。スタート時間09:00、スタート時は雨が降っていませんでした。 天気予報によると、この日は午前中の降雨量1o、午後から2oという予報でした。中止にするほどの雨量ではないと高を括っていました。

ところが、 選手がスタートし、しばらくすると、徐々に強くなり、本降り状態になってきました。小振りになる気配など全くない。 昨日の様な山越えは ないとはいえ、嫌な雨です。皆さんのカバーに当たっているスタッフからは逐一状況が報告されてきます。

過去の経験から、 雨の日でも出走する人は、技術もあり、精神的にもタフな人ばかりなので、反って安心なのです。予想通り、 グランフォンドは順調に展開しています。

午後1時頃、トップの選手が、雨の中、元気いっぱいで戻ってきました。続いて、ゴールして来る選手も 皆元気いっぱいです。 笑顔もあります。達成感で満足気です。この様子を見て、安心しました。感動すら覚えました。

ゴール地点で 雨に打たれてスタンバっている我々スタッフよりずっと元気で楽しそうです。雨天中止せず、出走させて良かった と思う瞬間です。

確かに、南伊豆の雨は東京の雨ほど冷たくはありませんが、それでも、嫌なものです。中には、雨の中、ゴールにたどり着いた達成感で、 感涙にむせぶ選手もいました。

【香港から】

香港から5人(うち女性1人)の人が参加されました。わざわざ南伊豆の大会に参加するために日本へやって来たのです。彼らは香港の MTC teamというマウンテンバイククラブのメンバーです。

一昨年の「東京グランフォンド」に続いて2度目の参加です。香港〜東京間が3時間半 なのに、南伊豆までは8時間を要したよ、と笑っていました。全員が2日間を完走されました。

メディアに関しては、嬉しいことに、「バイシクルクラブ」と「ファンライド」の自転車雑誌2誌、伊豆新聞、静岡TVが来てくれました。 それに参加者のブログやフェイスブック等々、露出効果もそれなりにあったのではないか思っています。

最後に、来年からは、渋滞の下田街道を使わず、西海岸の山ルートと海ルートを合体させ、1day eventでもいいかなぁ、と感じました。

【レポート・フォト】
【Special Thanks】

横浜市少年自然の家南伊豆臨海学園、南伊豆町、横浜市体育協会、横浜みなとみらいスポーツパーク、 西天城高原牧場の家、メロンランド

写真:小野口健太、武智佑真、道祖崚生